永野護監督が映像や音響のこだわりを語った『花の詩女ゴティックメード』上映会
今回のイベントは「Newtype 30周年スペシャルイベント」の一環で、4月17日にグランドオープンしたTOHOシネマズ新宿のこけら落とし的なイベントとして開催された。『花の詩女ゴティックメード』は、『ファイブスター物語』の永野護氏が原作・監督・脚本・絵コンテ・レイアウト・原画・全デザインを担当し、永野氏ならではの世界観や圧倒的なビジュアルとクオリティで話題となった作品。今回イベントに冠されたTCXとは「TOHO CINEMAS EXTRA LARGE SCREEN」の略で、TOHOシネマズ独自規格の超大型スクリーンや照り返しの少ない設計などが特徴。「爆音」と題した迫力のサウンドは9.1chで構成されており、永野氏がこだわりぬいた映像と音響を、最新鋭の劇場で楽しむ趣向となっている。
上映前のトークには、本作のヒロイン・ベリン役であり、主題歌や劇中歌のボーカルを担当した声優・川村万梨阿が和装で登場。川村は「2012年に公開されたこの作品がこけら落としの作品に選んでもらえるとは思わず、スタッフ共々うれしく思っています。公開以来、だんだん劇場が大きくなっているんです。
今回の上映は9.1chという未知の環境なんですが、天井にある緑色の光は全てスピーカーで、音が上から降ってくるような感じなんです」とあいさつした。そして川村がここで、スペシャルシークレットゲストとして、本作の永野監督を呼びこんだ。
永野監督は「記念すべきTOHOシネマズの一番大きなスクリーンに2年も前の作品がかかるのも、ドリパスで再上映を求めてくださったりした皆さんのおかげで、幸せだなと思います。最初の公開時の舞台あいさつは皆さんの反応が怖かったんですが、今回は連載再開後である程度ネタバレしているということで、また別の怖さがあります」と語った。永野監督は、Production I.G.の石川社長らの名前を挙げながら、本当に多くの会社や関係者が作品完成に協力してくれたことを語り、先輩である安彦良和氏や富野由悠季氏らが動画スタジオの紹介などで協力してくれたエピソードを紹介すると、「涙が出るぐらいいろんな人たちが声かけて、助けてくれて。俺はかわいがられてるなと思います」と笑っていた。
今回の上映では永野監督も事前の映像と音響のチェックに立ち会い、さらに迫力のサウンドになるようにリクエストしたとのことで、「一部のシーンのトリハロンの動きが高速すぎて、スクリーンが大きいから視界から消えるんです。音は9.1chで、特に自然の音ですね。
雨の音、風の音。実際に雨の中にいるように錯覚するような音響になっていると思うので、色々なところを楽しんでください」とアピール。さらに「最近のアニメ作りからは離れた自分の作り方をしていますが、ストーリーはオーソドックスな作品です。『ファイブスター物語』を知らない人にも楽しんでもらえると思います」と語っていた。
また、永野監督は映像について、原画の解像度が非常に精細で、BG(背景)の容量が通常は一枚30MBほどなのが、本作は1GB~3GBほどのものを使っており、モアレやジャギるのを防いで背景の筆跡すら残しているというこだわりを明かした。川村は「漫画を描いている時、永野の頭の中ではこういう映像が流れているんだと感じてください」と紹介。当日の環境で上映された映像と音声はまさに言葉通りの迫力で、特にカイゼリン(ゴティックメードと呼ばれる主役ロボット)の起動シーンは目の前で機体が起こす空気の震えが伝わってくるようだった。
そして、永野監督と言えば気になるのが、待望されている『ファイブスター物語』13巻の発売時期。
川村が「13巻はどうしたって(観客が)叱咤激励してください」とからかうと、永野監督は苦笑いしながら「13巻の単行本は6月とかそのへんには出て、夏ぐらいには再開できたらいいなと思います」と予想していた。
またトークの後半には、全国のTCX&9.1ch上映に対応できる劇場での『花の詩女ゴティックメード』上映のリクエストが、映画上映リクエストサイト「ドリパス」で今後順次行われることが発表。首都圏以外の劇場でも本作を最高の環境で見られるチャンスがあるかもしれない。
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