対談! 日本のものづくり - プロトラブズが国内有識者と探る (22) PFU イメージビジネスグループ 統括部長 松本秀樹氏(前編)
パン氏:実は私も御社のスキャナのユーザーなのですが、ローラ部分のゴムの粘着性など、紙を仕分けする力が強いと感じています。
松本氏:われわれは業務用スキャナにおいて、グローバルシェア50%を越えていますが、世界中の非常に過酷な環境、寒いところから暑いところまで、湿度が違うところでも的確に読み込ませることが求められています。自動車で例えるなら、ラリーをやっているようなものです。こうして培った技術をダウンサイジングして、ScanSnapにフィードバックしているわけです。確実に給紙するということは、非常にアナログな技術ですが、私どもが専業のスキャナメーカーとして持っている一番の強みだと思います。
パン氏:揺るぎない強みがおありですね。そんなPFUさんが今回の開発で、特に苦労した点があれば教えていただけますか?
松本氏:コンシューマー向けに品質を保証したバッテリーをスキャナに搭載するのは初めての試みでしたので、何からやっていいか分からなかったのが正直なところです。世界各国の安全規格に対応するために、一つ一つ積み重ねていきました。
それから、これはどの製品でもそうなのですが、お客さまのちょっとしたストレス、ちょっとした違和感をひとつずつ取り除くという視点を特に重要視して、開発を進めています。