東京都・環状8号線の下にこんな大自然が! 等々力渓谷は癒やしに満ちていた
渓谷内を歩いていると、この橋の上に大動脈がつながっているとはなかなか想像できない。
「稚児大師堂」を過ぎ、「利剣の橋」を越えると不動の滝に続く。滝の上には右手に剣、左手に羂索(けんさく)を握りしめ、背に炎の形をした迦楼羅焔(かるらえん)を背負った憤怒相のお不動様がいらっしゃる。滝の口に描かれたが竜が愛らしげで、どことなく親しみを感じてしまうのは筆者だけではないだろう。苔をつたって流れる湧き水が、陽に照らされてきらめくのも美しい。
その上に広がる等々力不動尊は、真言宗中興の祖・興教大師が夢のお告げで開いたと伝わる霊場で、土日曜日・祝日の14時からは本堂でお護摩を行っている。お護摩は誰でも受けることができるので、興味がある人はこの時間を狙って訪れてみるといいだろう。
○日本庭園に古墳も!?
等々力不動尊の対岸には、昭和36年(1961)に建設された書院建物とそれを取り巻く日本庭園がある。
季節を通じて楽しめる草木のほか、池や石畳、階段園路などがある庭は、昭和48年(1973)に著名な造園家によって作庭されたもの。現在も当時の面影を残して保存されている。門からつながる竹林では竹の葉がさわさわと揺れ、さらに進むとタケノコがひょっこり頭をのぞかせていた。