2015年4月28日 10:00
中国の全地球衛星航法システム「北斗」と、新型上段「遠征一号」 (1) 米国のGPSに対抗する全地球衛星航法システム「北斗」
の打ち上げが行われている。そして日本も、米国のGPSを補完する目的で「みちびき」の構築を目指している。
そして中国もまた、GPSなどと対抗する、独自の全地球衛星航法システムの構築を進めている。それが「北斗」だ。
北斗とは有名な星座「北斗七星」のことで、中国では古代から、北斗七星を天帝の乗り物と見立てるなど深く親しまれている。また天測航法、つまり天体を観測することで自分の位置を測っていた船乗りたちにとっては、北斗七星は北極星(ポラリス)を見つける手がかりとなる星座としても有名で、衛星航法システムにとってはまさにうってつけの名前だ。また、中国国外へのサーヴィス展開を意識してか、「COMPASS」(コンパス)という英語の名称も付けられている。
中国が衛星航法システムに目をつけたのは意外に早く、1960年代のことであったとされる。
衛星航法システムの原理自体は当時すでに確立されていたが、60年代というと、GPSを構築した当の米国ですらまだ研究の段階にあり、GPS衛星の開発や打ち上げが始まったのは70年代になってからのことだ。当然、人工衛星も満足に打ち上げていない当時の中国にとっては到底手が出る技術ではなく、基礎研究のみで終わったとされる。