くらし情報『中国の全地球衛星航法システム「北斗」と、新型上段「遠征一号」 (3) 人工衛星を目的の軌道まで送り届ける「遠征一号」』

中国の全地球衛星航法システム「北斗」と、新型上段「遠征一号」 (3) 人工衛星を目的の軌道まで送り届ける「遠征一号」

と呼ばれていることまではわかっているが、どう略してもTYという頭文字にはならない。

さらに、ケロシン系燃料(RP-1とされる)と過酸化水素を使う、より高性能な上段「先進上段」(Advanced Upper Stage, AUS)の開発も進んでいるという。こちらも、エンジンの再点火可能回数や、運用可能時間についてはまだ情報は明らかになっていない。

こうした上段を手にすることで、中国の衛星打ち上げ能力は大きく向上することになる。現在中国は、国際武器取引規制(ITAR)によって、事実上海外の商業衛星の打ち上げができない状態にあるが、万が一商業打ち上げ市場に再参入することがあれば、この上段の存在意義は大きい。

また何よりも、資源探査衛星や軍事衛星など、地球軌道に実用衛星を多数打ち上げている中国にとって、衛星の寿命が延ばせるなどの大きな恩恵がある。そして特殊な軌道へ送られることの多い科学衛星や、月や惑星へ航行する探査機にとっても、こうした上段の存在は、非常に大きな意義を持つだろう。
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