人に聞けない相続の話 (10) 親身に世話をしてくれた長男の妻への感謝の方法
母親の葬儀が終わった翌日、長男と長女二人きりになった時、遺産分割の話になりました。
そういう話になっているとは知らず、長男の妻がお茶とお茶菓子を持って、部屋に入りました。
その時、
「母の遺産分割の話は、お義姉さんには関係ないので、席をはずしてください」
と長女が長男の妻に告げました。
そして、長女の要求は、
「自宅5,000万円は長男に渡すので、その他の財産は合計しても5,000万円に満たないはずだから、すべて自分がもらいたい」というものでした。
痴呆になり始めた義母の面倒を長男の妻が見ていると、長女と間違えているのか、よく長女の名前を呼ぶこともありました。
長男の妻はそんな時、長女になったつもりで義母の面倒を見ました。
そんな事はまったく知らない義妹から言われた、
「お義姉さんには関係がない」
という言葉が、長男の妻はどうしても許せませんでした。
長男の妻は、やるせない気持ちをどこにぶつけてよいかわからず、長男と言い争いになった事もありました。
○裁判所で3年間、泥沼の争い
長男の妻は弁護士と相談し、自分と夫が面倒を見た寄与分を主張しました。
義妹も弁護士を雇い、その寄与分を否定し、さらに母親の財産を長男夫婦が浪費していたと主張しました。