2014年2月4日 17:47
免疫系で細胞結合のための分子スイッチとなるのが「シアル酸」 - 京大
がさまざまな細胞の機能に重要な役割を果たすことが知られている。またシアル酸はその末端での局在から、インフルエンザウイルスといった病原体の標的となることも多い。
免疫系のリンパ球もこのような分子間認識を介して制御されていることが考えられるが、リンパ球が活性化すると、複数あるシアル酸の分子種の内、主要な分子種が「N-グリコリル(N-グリコリルノイラミン酸)型」から「N-アセチル(N-アセチルノイラミン酸)型」へと変換されることが報告されていた(画像1)。シアル酸分子内に複数存在するヒドロキシル基(水酸基)が修飾され、C5位に着目すると、これらの分子種がわかる。つまり、T細胞は活性化されてもシアル酸は持ち続けるが、その種類を変化させるというわけだ。
細胞表面の糖鎖は「第3の生命鎖」、「細胞の顔」などとも称され、異なる細胞は異なる糖鎖を発現することが広く知られているが、その一方で、これら糖鎖の違いがどのような認識分子により認識されるのかなど、その分子機構については未知な部分が多く、生命科学分野におけるフォロンティア領域であるとも考えられるという。そこで、今回、活性化したTリンパ球におけるシアル酸分子種の変化に注目し、その免疫応答における意義の解明が試みられたのである。