くらし情報『免疫系で細胞結合のための分子スイッチとなるのが「シアル酸」 - 京大』

2014年2月4日 17:47

免疫系で細胞結合のための分子スイッチとなるのが「シアル酸」 - 京大

また、N-グリコリル型の抑制が起こっていない活性化前のTリンパ球では、活性型モデルBリンパ球とのCD22を介した結合が亢進しており、抗原非特異的なTリンパ球とBリンパ球の結合を起こすことがわかった。Bリンパ球が活性化する場であり、Tリンパ球が認識する抗原特異的にBリンパ球の活性化を助ける「胚中心」において、活性化リンパ球におけるシアル酸分子種の制御は、本来、応答する抗原を介して結合するべきリンパ球同士の認識を可能にしていることが明らかとなったのである(画像3)。

よって、今回新たに作成されたN-グリコリル型を抑制できないCMAH遺伝子トランスジェニックマウスでは、マクロファージとの結合が抑制されることで、細胞障害性Tリンパ球の活性化が亢進することが示唆された。今回の研究結果から、マウス免疫系は抗原を介したリンパ球間の結合を可能とするため、発現するシアル酸分子種をうまく制御していることが考えられるとした。これらシアル酸を含む糖鎖は細胞の外側に存在するため、免疫系におけるシアル酸とシアル酸結合タンパク質との結合を人為的に制御することで、リンパ球が結合する細胞を制御できることが考えられ、これを介して、免疫応答を人為的に制御できる可能性が考えられるとした。

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