キャリアななめ斬り! (58) 社会人としてのアガリのポジション
日本人の寿命が今よりも大分短かった頃の話。典型的な日本のサラリーマン像は、学校を卒業後、社会人として企業に入社。その後、定年退職まで1つの企業に勤め続けた。
○平均寿命が延びるとどうなるのか
社長や役員にまで昇進する人は稀だが部長、課長までは多くの場合は昇進する。人数に違いはあれども部下を持つようになる。社内での権限も増えていく。やがて定年を迎えると退職金を得る。子会社などに出向してさらに役員になったりというケースもあるが、多くは年金暮らしになる。
すでに子供は成長し、家のローンは完済している。余生を夫婦で過ごしやがて一生を終える。
「定年」というものが社会人としての「アガリ」であった。
もちろん今でもこうした「アガリ」を迎える人は少なくない。一方で、いつの頃からか日本人の平均寿命も延びた。70代から80代へ。90代になっても健康でお元気な方は多い。企業は定年を徐々に60歳から65歳に引き上げつつある段階ではある。
だが65歳で定年を迎えたとして、以降、90歳まで元気で生きたとすると25年間も生きることになる。
一方で、旧来のような終身雇用型の企業ではなく外資系企業などを中心に、退職までの間に何回かの転職を経験する人も増えてきた。