2015年7月1日は8時59分60秒が発生 - 3年ぶり26回目となる「うるう秒」の挿入はなぜ実施されるのか?
2015年7月1日は、午前8時59分59秒と9時00分00秒の間に「8時59分60秒」が存在する日となる。いわゆる「うるう秒」の挿入が実施される日だ。5月15日、日本でのうるう秒の挿入を実施する情報通信研究機構(NICT)は会見を開催し、うるう秒に関する説明を行った。
2015年7月1日は、午前8時59分59秒と9時00分00秒の間に「8時59分60秒」が存在する日となる。いわゆる「うるう秒」の挿入が実施される日だ。
うるう秒は、現在の世界的な標準時間の元となる時系「国際原子時(TAI)」を刻む「原子時計」(1967年より秒の単位として採用)と、ミリ秒単位で回転にふらつきがある地球の自転速度により決定される時系「世界時(UT1)」とのズレを1秒を超す前に修正するために実施されるもの。1972年の実施開始から1998年までは毎年1回程度実施されてきたが、それ以降は、徐々に緩やかになってきており、地球の自転速度が変動してきていることが指摘されている。ちなみに、地球の回転速度の計測手法としては、かつては月の動きから計算していたが、現在主流となっているのは、クェーサー(電波天体)の信号を、離れた電波望遠鏡2局で同時観測を実施し、その位置を測定することで導き出すというもので、自転速度の変動については、さまざまな要因が検討されているが、まだ完全に解明されていないという。