理研の松本理事長、人事制度の一本化・英語の公用語化などの改革案を発表 - 「他の研究機関の手本となるようなモデルを構築したい」
これを解消するために、先進的な基礎研究の成果を活かして社会のニーズにマッチした成果を創出することに力を入れていく方針を強く打ち出したわけだ。
3つ目の柱は「イノベーションを生み出す『科学技術ハブ』機能を形成する」ことだ。ここで述べられている「科学技術ハブ」機能とは、国内外の大学・研究機関や産業界との連携を指す。これには他の研究機関と連携を深めることで、規制緩和など政府に対する提言力を強める狙いがある。規制によって研究が停滞し、革新的な成果を得るチャンスが失われることを減らそうというわけだ。「科学技術はチャレンジしなければならない。チャレンジしていく中で、規制に引っかかってしまうことがある。こうした規制の緩和を国にしていただけるような提言をしていきたい」(松本理事長)。
4つ目の柱とされたのは「国際頭脳循環の一極を担う」こと。つまり、海外の優秀な研究者が喜んで理研に来るような環境を作り、グローバルでの理研のプレゼンスを高めることだ。松本理事長はその第1歩として英語を公用語とすることを決めた。この決定に対して研究者からはほとんど反対が無かったとのことで、事務方に対しても粘り強く働きかけていくとしている。