理研の松本理事長、人事制度の一本化・英語の公用語化などの改革案を発表 - 「他の研究機関の手本となるようなモデルを構築したい」
また、グローバル標準の研究環境の実現に向けて、研究者だけでなく、役員や事務方の職員にも外国人を増やしていく方針だ。
5つ目の柱には「世界的研究リーダーを育成する」ことを掲げた。具体的には、若手研究者にキャリアパスをしっかりと提示できるシステムを構築するほか、国際的な人材交流も拡大する。また、松本理事長が京都大学時代に立ち上げた「白眉プロジェクト」のような、特に優秀な若手に充実した研究環境を与える仕組みも導入する。さらに、博士号を持ちながらも就職できない、いわゆるポスドク問題にも言及し、大学と連携して取り組んでいくとした。
以上5つの柱で示された研究者の雇用問題、資金不足、海外交流の停滞などは、他の研究機関でも問題となっている。松本理事長は「他の研究機関の手本となるようなモデルを構築したい」と語ったが、そのためにはSTAP細胞問題で失った信用を取り戻す必要があるだろう。今回の発表で語られた数々の改革をどれだけ実際に実行し、成果を得ることができるか、松本理事長の手腕が問われることとなる。