IoTの深層 (1) KDDIの場合 - 顧客のビジネスモデル変革を支援
データが飛ばないため、携帯キャリアにとって稼ぐことのできるビジネスではない。そのため、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)をひっくるめた周辺ビジネスを通して、モノと人の中に業務として組み込んでいき、トータルARPUを上げていくんです。
こうしたM2Mの事業は、経営をサポートするという立ち位置から、回線や端末を納入したら終わりというわけではなく、一回入ったら5年や10年というスパンでその企業をサポートしていくことが重要。キャリアらしいビジネスとして、M2Mだけでは見えてこないものに取り組む必要があるんです」
クラウドサービスを巻き込んだビジネススキーム造りは、KDDIだけでなく、NTTドコモやソフトバンク、海外に目を向ければ米ベライゾンや英ボーダフォンもプラットフォーム戦略として打ち出しており、M2Mを中心とした新たなビジネス機会を狙っている。高比良氏「通信を繋げることで新しいビジネスが生まれていく。そこにフォーカスした新たな活動をしていきます。通常、キャリアの法人営業は情報システム部門を中心に回りますが、私たちの場合は、チャネルが全くもって違う。ビジネス企画の部門など、しっかりとビジネスサポートをしていかなければならない」