MacとiPadの悦楽生活50 #EtsuMac50 - 22 iPadを再起動する(後編)
2010年にiPadが登場したとき、筆者は「Jobsが世に送り出す、形あるデバイスとしては最後」という原稿を書いた覚えがあります。そのときは、「持ち運べる板」というシンプルを極めた形を前にして、これ以上どうしようもないな、という諦めに近い感覚がありました。
Steve Jobs氏は翌年亡くなり、iPadは、筆者が考えていたデバイス進化論とは別の形で「Jobsが世に送り出す最後のデバイス」になってしまいました。前述の通り、iPadは第三世代でRetinaディスプレイを搭載してから、軽さ、薄さ、処理性能、カメラなどの進化はありましたが、本質的に何かが変わったわけではありません。おそらく、iPadだからできることを、考えて、見つけていかなければならないのだと思いました。iPadが動詞化するような強烈な使い方が発見されても良いし、iPadが必要なライフスタイルを総合的に作り上げていくアプローチでも良いと思います。あるいは、このままスマホに押されて、いらないデバイスになるのを待つか、その二択になるでしょう。
少し未来の話をすれば、iPadは確実にiPhoneよりも重要なデバイスになる、と個人的には考えています。