くらし情報『カイメン中の共生微生物の生産能力には非常に可能性がある - 東大など』

カイメン中の共生微生物の生産能力には非常に可能性がある - 東大など

なお、これまでの研究で、Piel教授らの研究チームによって、八丈島産T.swinhoei由来の2つの化合物「オンナミド」と「ポリセオナミド」の生産に関与する「生合成遺伝子」を明らかにしている。

T.swinhoeiには2~3μmの細胞が数珠状に並び、蛍光を発するEntotheonellaに形状が似た微生物が数多く存在していた(画像2)。Entotheonellaは、パラオ産カイメンT.swinhoei」より発見されたフィラメント状の微生物である。

ここで、単一の細胞(細胞、細菌等)を流路システムによりレーザービームを通過させ、散乱光と蛍光により光学的に細胞の特徴を測定する「フローサイトメトリー」を用いて1細胞を分離し、DNAを増幅する方法の1つである「MDA法」により、微生物のゲノムDNAの増幅が行われた。

上記の生合成遺伝子情報を基に遺伝子の有無を確認したところ、48細胞の内16細胞からオンナミド生合成遺伝子、ポリセオナミド生合成遺伝子、およびEntotheonella特有の「16S rRNA」が検出された。16S rRNAは配列の保存性が高く、微生物の進化系統を明らかにする際に用いられることが多いリボソームを構成するRNAの1つだ。

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