6月19日は「桜桃忌 (おうとうき)」。太宰治が愛人と多摩川上水で入水自殺をし、遺体が発見された日です。「桜桃忌」は、太宰の晩年の秀作である「桜桃」から名付けられました。死後67年経った今でも、太宰の墓がある三鷹の禅林寺には全国から文学ファンが集まり、彼の死を悼みます。
○墓石にさくらんぼを詰める人もいるほど
太宰治の本名は津島修治。昭和初期に活躍した日本を代表する小説家で、代表作には「走れメロス」「斜陽」「人間失格」などがあります。
太宰の遺体が発見された6月19日には、彼のお墓に多くの花が供えられます。墓石に彫られた太宰の名前に、サクランボを詰めていく人もいるとか。
○森鴎外のお墓もある
禅林寺には、太宰のお墓の近くに、同じく日本を代表する小説家、森鴎外のお墓もあります。こちらも森鴎外の命日である7月9日には献花式や文学座談会が開催され、多くのファンが訪れます。
実は、日本文学を代表する2人のお墓が近くにあるのは偶然ではありません。太宰が生前、森鴎外の墓について憧れめいた文章を残していたため、太宰夫人がその気持ちをくんで禅林寺に葬ったとか。
太宰治と森鴎外。今日はこの2人の作品を読んでみてはいかがでしょうか。