2015年6月25日 10:00
2030年に向けた国内大学のパラダイムシフト (2) 国内大学の逆襲 - 2030年の大学
を両立させた。
結果、米国の大手大学では総収入に占める学納金(授業料)収入の割合を30%前後まで圧縮させる事に成功し、コスト面も変動コスト割合が高まり、学生数の減少に伴う経営に対するインパクトを極小化させた。加えて、他事業から得た収益を教育に投資する好循環モデルを確立し、現在の"世界をリードする米国大学"の基盤となるROI(投資対効果)を高めたビジネスモデルに転換したのである。
では、国内大学も米国の大学同様に事業の多角化を基軸としたビジネスモデルに転換が出来るのだろうか。
その可能性については否定こそしないものの、実現までには相当の時間を要すると考えられ、実質的にはよりマーケットの変化に順応することに主眼が置かれたパラダイムシフトになると考えられる。主に以下の4つ側面から、国内大学は大きく転換していくと予測している。
○1. 教育プログラムの転換
学生獲得競争の激化を背に、各大学は差別化を目的として自学に見合う領域に経営資源を集中的に投下し、"戦える武器"を創りあげる。その結果、現在は主流となる経済学部や法学部、工学部などの汎用性の高い学部は一部の上位大学に残る程度で、多くの学部は就職先の業種や業態、企業、進学先などに直結する極めて専門性の高い内容で構成され、授業内容もこれに沿って実践・実学教育に大きくシフトする。