2015年6月30日 12:00
兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (17) 漫画家・カレー沢薫が語る「アイデアのつくり方」
中には「どうせ終わりなら最後にぶちかましてやりますわ」と最後まで風呂敷を広げて、それを一切たたまず爆破する、という伝説的終わり方をするものがあるが、それは相当メンタルが強いか、すでにメンタルが破壊し尽くされている作家のやることで、自分のような小物は「何とか着地させたい」と思ってしまうのだ。
その結果、「終われと言われる前から最終回に向かう」という大逆走をぶちかましてしまうのである。もちろん、いつ終われと言われているわけではないので「いつでも終われる」ような展開ばっかりになる、そんな漫画が面白いわけがない。
つまり、死体がきれいか、肋骨が全部折れて内臓が破裂しているかの違いで、早死にすることには違いないのである。
○漫画家が新作を生み出すために必要なことは?
漫画はビジネスなので、出版社の方も、目が出ない作品をズルズル続けさせるわけにはいかない。そして作家にとっても、ダメな物は終わらせて新作でヒットを狙った方がいい場合もある。しかし、新作を考えるというのがまたつらいのだ。
特に当方、これと言ったヒットがないまま、漫画家生活すでに5年である。
こうなると、何を描いても売れない自信がついてくる。