2015年7月3日 12:00
ユーザー向け広告は、出していない - Wantedlyのマーケティング戦略
本稿では、同社 CEOの仲暁子氏と、マーケティングを担当する生熊暁氏に、この飛躍を支えた要因をマーケティング視点で振り返ってもらった。これまでに無いサービスが、ローンチ後、どのようにその認知を拡大し、一般ユーザーとユーザー企業を増やしていったのか ―― これまでの戦略を明らかにしたい。
○「Wantedly」は、マーケター不在でも成長できるサービス
―― この3年間、採用担当者(企業)向け・ユーザー向けそれぞれで、どのような獲得施策を行ってきましたか
仲暁子氏(以下、仲氏) : マーケティング的な取り組みでいうと、サービス開始から1年半後くらいに、採用担当者向けの広告出稿を始めました。一方で、ユーザー向けには今でもほとんど、広告は出していません。
生熊暁氏(以下、生熊氏) : これは、サービス自体に "既存ユーザーが新規ユーザーを連れてきてくれる仕組み" がビルドインされているから可能なことですよね。逆説的といえるかもしれませんが、マーケターがいなくても成長できるのがWantedlyのビジネスモデルです。しかし、採用担当者にはWantedlyを認知してもらう必要があります。加えて、「このサービスは、良い募集要項に対してユーザーの共感が集まり、応援され、更にユーザーが集まってくる "良サイクル" が自然と回っている」