女の節目~人生の選択 (19) vol.19 「今」
ティッシュペーパーの買い置きも、全部は使い切れないだろう、今からでは。
今は、やたらと眠くて、残された日数には限りがあるのに、取り返しのつかない一日を、なぜかたっぷり寝過ごしてしまったりしている。あちこちのカレンダーに掲げられている七月のイメージといえば夏休み、縁側にスイカ、花火、ビアガーデン。しかし実際は梅雨時のじめじめした空気が重く身体にまとわりついて、長靴を履くかどうかでその日の服装が決まり、袖のない服には冷房除けのカーディガンを羽織り、でも蒸し暑さに気持ち悪くなって脱ぐ、帰宅すると除湿機をかけてうとうと寝てしまう、晴れたらもうちょっとしゃんとして頑張ろうと思う、そんな日々が続く。気候変動の影響もあるにはあるのだろうけど、子供時代の思い出に残る七月の輝かしさとはずいぶん違う。大人の七月には、まだ六月がのさばっている。下手すると五月病だって治っていない。今週から下半期? 冗談でしょ!
今は、一つ前の「節目」と来るべき「節目」の、狭間の時期を過ごしている。
住まいを選び替え、引っ越しをするたびにテンションが上がり、こんなに楽しいことはきっといつまでも色褪せず私の記憶に残るだろう、と思うのだけど、喉元過ぎると熱さを忘れて、すっぽり三箇月分くらいの記憶がない。