くらし情報『磁気圏観測衛星「あけぼの」 - オーロラとヴァン・アレン帯を見つめ続けた26年』

2015年7月7日 14:00

磁気圏観測衛星「あけぼの」 - オーロラとヴァン・アレン帯を見つめ続けた26年

この電場は地球から見て太陽の反対側の、地球の半径のおよそ10倍から100倍ぐらいの距離の位置の、地球磁気圏の中にある。

太陽風のエネルギーはもともと1電子ボルト程度だが、この電場によって、最終的にオーロラを起こすことになる電子(オーロラ電子)のエネルギーは、10キロ電子ボルトぐらいにまでなる。こうして強力な電圧で加速された電子は、地球の磁場の磁力線に沿って地球に向かって入り込み、大気とぶつかることでオーロラを作り出しているのである。もしこの電圧がなければ、電子は地球までやってくることはなく、途中で磁気圏に引き返していくことになるという。このオーロラ上空の強力な電場の存在と、それがないとオーロラは光らないらしいということは、今から40年ほど前から予測されていた。

こうしたオーロラの謎を探るべく、日本は1989年に、磁気圏観測衛星「あけぼの」(EXOS-D)を打ち上げた。

○「あけぼの」とオーロラ

「あけぼの」は1989年2月22日、内之浦宇宙空間観測所からM-3SIIロケット4号機によって打ち上げられた。「あけぼの」は地表に最も近い高度が275km、最も遠い高度が1万0500km、赤道からの傾きが75度の軌道に投入された。

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