磁気圏観測衛星「あけぼの」 - オーロラとヴァン・アレン帯を見つめ続けた26年
「あけぼの」と同じように地球をたすき掛けをするように回りつつも、その高度は高くなっており、ヴァン・アレン帯の中心部に突っ込むように飛行することができるようになっている。
ERGでは、まずオーロラを光らせているよりも小さいエネルギーから、それよりも6桁以上大きなエネルギーまで、非常に広いエネルギーの範囲を観測することができる。また、プラズマの波と電子を10マイクロ秒という非常に高い精度で観測することができ、ヴァン・アレン帯にある電子の一つ一つのエネルギーの変化を直接検出することさえも可能とされる。そこには世界初の技術が使われているという。
ERGは現在も開発中で、予定では2016年の夏ごろに、イプシロン・ロケットの2号機で宇宙へ飛び立つことになっている。
「あけぼの」は2015年4月23日15時59分、停波作業が行われた。停波とは、衛星に搭載されている電波の送信機やバッテリーを停止させ、二度と電波を出さないようにするために行われる作業で、これをもって衛星は、運用を終えることになる。「あけぼの」の運用は終わったが、「あけぼの」がこの26年間で残した膨大な量の成果と知見は、今後もERGの観測計画の立案や、データの解析に役立てられるという。