2015年7月21日 11:00
シリコンバレー101 (622) 平均販売価格600ドル超でも売れるiPhoneと400ドルを下回る不振のPC
AppleがiPodを今も提供し続けられるのは、同社がプラットフォームの会社であるからだ。新しいiPod touchがApple Music用の端末やゲーム端末として優れているように、iTunesやApp Storeのエコシステムの上でiPodは生き伸びている。iPhoneユーザーがiPhoneを入り口にMacも使い始めるなど、"ハロー効果"が今日のApple製品の躍進につながっている。
しかし、数年前にはMacが高すぎると言われていたし、1~2年前には低価格スマートフォン市場への参入が急務と言われ続けていた。Apple製品同士を使う相乗効果があるとはいっても、そもそもApple製品は安くはないし、Appleは安売りをしない。もっと安い端末でそろえられるプラットフォームだって選択できるのに、Appleは堅調な伸びを実現している。
注目すべきなのは、PC市場でも、デジタル音楽プレーヤー市場でも、同社が"飽和後の市場"においてライバルを寄せ付けない存在になっているという点だ。スマートフォン市場でも、そうなる兆候が見え始めている。
成長から飽和に向かう過程において、Apple製品は低価格な製品にシェアを奪われるが、より安くを目指す競争の先は質の低下と市場の衰退である。