2015年7月21日 13:08
なぜ、第6世代iPod touchのSoCはダウンクロック版「A8」なのか
つまり、iPhone 6では本体サイズが4インチから4.7インチまで拡大したことで大容量バッテリの搭載が可能になり、バッテリ駆動時間を延ばすことが可能になった。だが一方で4インチのiPod touchがバッテリ容量を増やさずに薄型筐体のまま同等のバッテリ駆動時間を実現するには、A7採用でも素のA8採用でもなく、A8プロセッサのダウンクロックが最適解だったのかもしれない。
ここから先は筆者の仮説ではあるが、A8のダウンクロック版採用の背景にはもういくつかの理由があると考えている。1つの予想はA8を製造しているTSMCとSamsungの20nm製造プロセスの歩留まりが依然として悪く、選別品としてiPhone 6や6 Plusへの採用を見送られた「A8」をダウンクロックした状態でiPod touchに採用している可能性だ。TSMCの20nmについてはリーク電流増大など諸所の問題を抱えており、特に高性能を要求されるGPUの製造は同世代では見送られたとの報告もある。
同様のトラブルはSamsung側も抱えているといわれ、TSMCは16nm FinFET、SamsungとGlobalFoundriesは14nm FinFETへと早々に移行しようとしている。