2015年7月21日 20:50
ヒットデジカメ「RX100」の変遷から見えるソニーのCMOSセンサー戦略 - 西田宗千佳の家電ニュース「四景八景」
ポイントはセンサーの性能そのものではない。センサーに付け加えられた「機能」だ。
RX100 IVでは、最大960fpsのスーパースロー撮影が可能になった。静止画ではなく動画が軸になり、いきなり飛躍したように見えるが、テクノロジーの進化の方向性としては、同じ軸になる。
スロー撮影では、1コマを記録するための時間が短くなる。ということは、それだけ少ない光量で映像を構成する必要がある。暗いところでもきれいに撮れるカメラと、スロー撮影ができるカメラは、技術的にいえば表裏一体なのだ。
正直なところ、「静止画をきれいに撮影したいカメラ」に「動画の機能を充実させていく」ことは、製品価値として受け入れられるのだろうか……という印象もある。
しかし、4Kテレビが好調に売れつつある現在、4Kの映像をスマホよりもきれいに、しかも手軽に撮影する機器として、高級デジカメにフォーカスが当たるのは理解できるところだ。
ライバルであるパナソニックは、高級カメラによる4K撮影において、機能面でも画質面でも、ソニーよりも先を走っている。パナソニックの製品でも、使われているのはソニーのセンサーだ。センサーのトップメーカーであり、昨今のトレンドを作った企業という自負もあるソニーとしては、4K動画について、この辺でしっかりと追いついておきたい、という考えもあるのではないだろうか。