くらし情報『ヒットデジカメ「RX100」の変遷から見えるソニーのCMOSセンサー戦略 - 西田宗千佳の家電ニュース「四景八景」』

2015年7月21日 20:50

ヒットデジカメ「RX100」の変遷から見えるソニーのCMOSセンサー戦略 - 西田宗千佳の家電ニュース「四景八景」

実際の製品では、センサー基板の裏に「保持基板」を貼り付けて剛性を確保する。さらにセンサーの周囲には、センサーから得た情報を処理して動画・静止画にするための回路がある。その面積は馬鹿にならないものだ。そのため、基板の全面積を「光を受け取るセンサーそのもの」に与えるわけにもいかなかった。

ソニーはそこに、さらにコロンブスの卵をもち込んだ。処理回路をセンサー面ではなく、保持基板側に持っていったのだ。裏面照射型センサーには、保持基板は必須。だかこれまで保持基板は単なる板で、特別な機能はなかった。
そこに処理回路を持っていけばセンサーサイズを稼ぎやすくなるし、処理回路そのものも大規模化しやすい。一石二鳥である。これが、ソニーが2012年夏に発表した「Exmor RS」だ。

Exmor RSは、まずはスマホ向けに使われた。スマホの写真において、ノイズ除去などの機能を実装するには有利な構造であったからだ。だが今回、RX100 IVなどに使われた1インチサイズのExmor RSの処理回路には、映像処理系ではなく、大容量の高速DRAMが搭載された。センサーの近くで映像データを一時的に貯め込み、スロー撮影や高速シャッター撮影を実現するためだ。

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