2015年7月27日 07:00
JALにきいたパイロットの言語技術 (1) 機長と操縦士、実は初対面同士でフライト
高度1万メートルの上空を、多くの乗客を乗せて飛行する旅客機。その安全を支えているのが、コックピット内で交わされる会話をはじめ、地上スタッフや客室乗務員とのやり取りなどの"コミュニケーション"。その技術を磨くために、パイロットたちがちょっと変わった教育を受けていると聞き、日本航空を訪ねた。
話をしてくれたのは、ベテランパイロットの塚本裕司さんと金子幸市さん。金子さんは1992年入社で、96年に訓練生から副操縦士に昇格、2006年に機長となり、ボーイング767、MD11を経て、現在は再びボーイング767の機長を務めている。塚本さんは1993年に入社し、97年より副操縦士、2007年より機長となり、ボーイング747、ボーイング744を経て、ボーイング777(通称トリプルセブン)の機長を務める。おふたりは、2012年に導入した「言語技術」教育の講師でもある。
○必要なのはセンスではなくテクニック
――「言語技術」とは、どんなものですか?
塚本さん:「言語技術」は、英語ではランゲージ・アーツといって、欧米など、海外で行われている言語教育のひとつです。
僕たち日本人の言語教育といえば、学校で習っていた国語ですが、海外ではみんなランゲージ・アーツを学ぶんです。