2015年7月27日 07:00
JALにきいたパイロットの言語技術 (1) 機長と操縦士、実は初対面同士でフライト
金子さん:国語では物語を読んで、「このときのおばあさんの気持ちは?」という勉強をしましたよね。そういう教育では、どうしても個人の感性や表現力が問われるし、感情を読み取れる人とそうでない人が出てきます。でも、「言語技術」は技術、つまりスキルですから、センスは必要ありません。苦手な人でも、トレーニングすれば身につくし、誰でも使いこなせるものなんです。具体的なトレーニング法がわかったことで、コミュニケーションに苦手意識があった人からも「こうすればよかったのか」と、いい評価を受けています。
○パイロットのための新しいトレーニング法
――パイロットがコミュニケーションの教育を受けている、というのが意外でした
金子さん:そうかもしれませんね。でも、コミュニケーションは、パイロットにとって非常に重要なスキルの1つです。飛行機は時速600~1,100kmというものすごいスピードで飛んでいますから、情報の伝達が遅れたり、万が一間違って伝わったりすることがあれば、不安全につながりかねません。
そういった意味でも、コミュニケーションの技術は、パイロットには不可欠なんです。
――もともとコミュニケーションのトレーニングも行っていたんですか?
塚本さん:フライトシミュレーターという機械を使ったトレーニングは、以前から取り入れていました。