2015年7月31日 07:00
JALにきいたパイロットの言語技術 (3) 伝わる説明の仕方
日本航空の全パイロットが、コミュニケーションスキルの向上のために受けているという「言語技術」教育。そのカリキュラムは、「対話」「説明」「分析」という3つのプログラムに分かれている。それぞれのプログラムの目的や役立て方について、「言語技術」の指導にあたる2人のパイロット、塚本裕司さんと金子幸市さんにお話を聞いた。
○フライトの状況を使った訓練
――「説明」ではどんな授業をしていますか?
塚本さん:例えば、「フランス国旗について、まったく知らない相手に電話で伝えるとしたら、あなたは何と説明しますか」という例題があります。普通なら「フランス国旗といえば、青と白と赤で……」と言いたくなります。でも、説明のポイントは「概要から詳細に入る」こと。ですからこの場合、「横長の長方形で、それが縦に三等分されていて…」と、全体の形状から始めて、それから色の説明に入っていくのが正解です。
――一般の会社でも、このトレーニングはできそうですね
塚本さん:そうですね。
僕たちはこれをアレンジして、実際のフライトを想定したトレーニングを作っています。例えば、キャビンクルーからの要請を、パイロットが地上スタッフに説明するシーンの例題です。