2015年8月4日 10:00
半導体産業にM&Aの津波がやってきた - IC Insightsがその背景を分析
さらには、半導体製造への参入がしにくくなり、ファブライト・モデルへの移行が加速することになる。これは、設備投資の対売上比率の低下をもたらし、5年以内に半導体産業の景色をすっかり変えてしまうかもしれない」と述べている。
○日本の半導体業界にもTsunamiは押し寄せるのか?
なお、IC Insightsは日本の半導体業界には全く言及していないが、M&Aがないわけではない。
ただし、津波からはほど遠く、さざ波もたたぬ程度でしかない。2015年3月、富士通セミコンダクターとパナソニックのシステムLSI事業の統合が完了し、日本政策投資銀行も出資して新会社「ソシオネクスト」として事業を開始した。かつてのエルピーダメモリ、ルネサス テクノロジ、あるいはルネサス エレクトロニクスなどと同様のいわば弱者連合であり、まったくなじみのない横文字の新社名をつけて(Avagoが買収したBroadcomのほうが名が通っているのでBroadcomに名称変更するのとは対照的)、しかも、先に述べた欧米のケースのような一方的な買収ではなく合併であるため、経営のかじ取りが難しい。
また5月には、件のAvago Technologiesが買収を視野にルネサスに接触したという話題で、一時ルネサスの株価が急騰したがその後、AvagoのBroadcom買収のニュースが流れ、この話はしぼんだように見える。