2021年6月21日 05:00
有名俳優・女優の自殺報道後に自殺者数が急増、相談窓口周知で抑止効果も
厚生労働大臣指定法人 いのち支える自殺対策推進センターが主催する「第1回 自殺報道のあり方を考える勉強会~報道の自由と自殺リスクの狭間で~」が20日、オンラインで開催され、100人超えるメディア関係者が参加した。
○■報道が後押しになってしまった
同センターの清水康之代表理事は、昨年7月の有名俳優、同9月の有名女優の自殺報道後に自殺者数が急増したという状況を報告。それに加え、相談窓口に寄せられた「有名人の自殺に関する記事が気になってネットで読み続けているうちに、死にたい気持ちが再燃してしまった」といった実際の声を踏まえ、「新型コロナの影響によって、仕事や生活、人間関係等に関する悩みや不安を抱えていた人たちが、相次ぐ有名人の自殺報道に触れて、自殺の方向に後押しされてしまった。それで実際に亡くなる人が増加したのではないかと、私たちは捉えています」と、分析データに基づいて説明した。
昨年は有名人の自殺が相次ぎ、同センターではそのたびに、WHOが定める「自殺報道ガイドライン」を踏まえた報道の徹底を要請する注意喚起の文書をメディア各社(82社242媒体)に向けて送付したが、その回数は昨年だけで9回にも及んだ。