2015年8月7日 07:00
誠意が伝わる「正しい謝罪」の方法を学ぶ - 『はじめての男の謝罪マニュアル』
今回紹介する『はじめての男の謝罪マニュアル』(男の謝罪研究会/秀和システム/2015年6月/1600円+税)は、その用途にまさにピッタリの一冊である。謝罪についての本は以前もこの書評で取り上げたことがあるが、本書の内容はよりスタンダードで癖のないものになっている。掲載されているシチュエーションの数も多く、いざ謝らなければならない状況に追い込まれた時にはきっと重宝することだろう。
○まずは謝罪の理由とゴールを決める
「謝らなければならない」という状況に追い込まれると、頭を下げて謝罪するという行為だけに意識が行ってしまうことがある。「とにかく謝ってしまってこの状況を終わらせよう」と思いたくなる気持ちはとてもよくわかるが、そういう時こそ冷静に状況分析をしなければならない。行き当たりばったりな謝罪は最悪の場合事態を悪化させるおそれがある。謝罪には入念な準備が必要なのだ。
まず最初にすべきことは、謝罪の理由をよく考えることだ。
「それで謝っているつもりか?」と相手に言われてしまうのは、多くの場合謝罪の理由が謝る側の中で十分詰め切られていないことに起因する。「とりあえず頭を下げておこう」という投げやりな態度は、そのまま相手に伝わってしまう。