2015年8月7日 07:00
誠意が伝わる「正しい謝罪」の方法を学ぶ - 『はじめての男の謝罪マニュアル』
どんなに時間がない時でも、謝罪しなければならない事態を招いた「要因」と「今後の対応」についてはよく考えていく必要がある。
また、ゴールを設定することも大切である。今後の対応を協議する際に、「今回の謝罪でどこまで目指すか」で当日の行動は変化する。適切なゴール設定をした上で、事前によくシミュレーションをすることは謝罪を成功させるために欠かせない。「まあなんとかなるだろう」という考えは、多くの場合なんとかならないから考えるべきことは事前によく考えていかなければならない。
○定石を頭に入れておけば慌てないで済む
もしかしたら、謝罪をする際に本書のような「マニュアル」に頼るのは誠意がないと感じる人がいるかもしれないが、それは間違いである。本書はたしかに謝罪のマニュアルであり、シチュエーション別に様々な対処法が書かれているが、これらはあくまで一般論にすぎない。謝罪の理由や再発防止策については、目の前にある具体的な事案を元に自分自身で考えなければいけないことに変わりはない。
そもそも謝罪はその性質上、特に頭を使わなくてもマニュアルに則って行動すればそれで済むというものではない。それでも本書が有効なのは、定石を頭に入れておくことで本番で慌ててしまうリスクを最小限にできる点にある。