遠藤航をハリルジャパンへ順応させた湘南ベルマーレ指揮官の慧眼と熱い思い
指揮官がこのような言葉を使うときは、期待感が込められていると見ていい。
果たして、中2日で迎えた韓国代表戦でも遠藤は右サイドバックとして先発し、北朝鮮戦に続いてフル出場する。右ひざを痛めた内田篤人(シャルケ)が長期離脱を強いられている状況で、ハリルホジッチ監督をして「問題を抱えている」と言わしめてきた右サイドバックへの懸念は解消したといっていい。
○ターニングポイントとなった2年前の仙台戦
50人が予備登録された段階で、遠藤はMF登録だった。7月23日の代表メンバー発表では一転してDF登録になったことと、招集されたメンバーを見れば、右サイドバックで起用される可能性は高かった。
遠藤自身も、ハリルジャパンに合流する前にこう語っている。
「湘南でプレーしているときのよさを出すという面では変わらない。1対1の守備やビルドアップの起点になることは、どこでもできると思っています」。
もっとも、ポジティブなイメージを抱いていたとはいえ、わずかな準備時間でここまで右サイドバックに順応できるものなのか。その答えは、遠藤の将来を見すえたチョウ監督の指導に求められる。
2013年8月31日。ホームにベガルタ仙台を迎えたJ1第24節で、チョウ監督はそれまで3バックの中央で起用していた遠藤を右にシフト。