2015年8月24日 13:26
新型基幹ロケット「H3」の挑戦 (5) その進化は見た目以上―第2段機体と固体ロケット・ブースター
とほぼ同じ大きさだが、大きく改良が加えられることになる。
一番大きな改良点は、ロケットのコア機体との結合方法を簡素にすることである。H-IIAを見ると、コア機体とSRB-Aとは何本かの白い棒のような部品で結合されている。横向きに付いているものをヨー・ブレス、斜めに付いているものをスラスト・ストラットと呼び、ヨー・ブレスはヨー方向、つまり横方向への動きを伝達し、スラスト・ストラットはロケットを持ち上げる力を伝達する役割を持っている。
ただ、世界の他のロケットを見てみても、こうした棒状の部品を用いて結合されているロケットはない。また、H-IIAの先代にあたるH-IIロケットにもない。
なぜ、H-IIAやH-IIBでこうした結合方法が使われているのかといえば、SRB-Aのモーター・ケースに、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が使われていることにある。炭素繊維強化プラスチックは高い強度と軽さを併せ持つ材料だが、どこか一点に力が集中することに弱い。
たとえばボルトを使って第1段機体と直接結合すると、その部分に力が集中し、壊れてしまう可能性があるのだ。
そこで、ブースターの前後にアルミ合金製のアダプターを取り付け、そこにヨー・ブレスやスラスト・ストラットを接続するという方式が採られた。