2015年8月25日 08:00
IoTの深層 (3) ダイキンが目指した"ビジネスの変革"
○キッカケは震災
――このサービス提供のキッカケは何だったのでしょうか?
髙橋氏「このサービスは、実はダイキンHVACソリューション東京として、約3年前から提供を開始しています(※「あんしんスカイエア」としての販売が6月から)。
2011年の東日本大震災後、電力の逼迫状況から東京電力さんより節電対策の相談がありました。ユーザー様がエアコン使用することをセーブできるシステムを構築できないかというお話でした。
しかしこのためには、ユーザー様と継続的で、なおかつ直接的な接点が必要となります。我々の設備業界では多くの場合、修理依頼なども含めユーザー様側からお声をかけていただくことで始めて、ユーザー様と繋がるケースが一般的です。
そこから、ユーザー様との接点を継続的に持つビジネスに対して関心を持ったのです」
東京電力は、東日本大震災を受けて原発稼働が難しくなったこともあり、当初は夏場に企業の電力需要を抑制しようと様々な方策を検討していたようだ。もちろん、夏場に一番電力利用が増大するのはエアコンであり、企業との契約で「電力需給が逼迫した際にはエアコンを制御する」といった契約をやろうと検討していたり、そうした企業は一定の値引きなどを行うことで電力の需給バランスを取ろうとしていた。