2015年8月31日 11:21
巨人Intelに挑め! - 自作PCユーザーを歓喜させたK6シリーズ (1) 遅れてきたK5
を追求することとなる。家電量販店にPCが大きな棚スペースを獲得し始めたのもこのころだと思う。この動きに対応すべく、Intel互換のCyrixがMediaGXという統合チップを発表し、千ドルPCのコンセプトを発表した。
こうした状況にあって、Intelから技術上の主導権を奪うことを主目的とし開発されたK5の完成は遅れに遅れ、結局は1996年の3月にようやく正式発表をみた。しかし、当初の市場からの高い期待に反して、K5としてAMDが発表した2製品K5 PR75/PR90はPentiumに対抗する性能を持ちえなかった。前に書いたように、K5は当時としては革新的な下記のようなアーテクチャを採用していた。
複雑な処理を行う可変長のX86命令を実行するCISC(Complexed Instruction Set Computer)という従来の考え方に加え、アウトオブオーダーのスーパースケーラーのアーキテクチャの採用
クロックあたりの命令処理能力を上げるために、X86のCISC命令を、Am29000で培ったRISC(Reduced Instruction Set Computer)風の短い固定命令に変換し、命令の順番に関係なく多数の実行ユニットを使って、複数命令を同時に発行する方法
強化された命令キャッシュ、データキャッシュ
これらのアーキテクチャ上の特徴はIntelが後に第六世代のPentuim Proで採用したものと似ている。