くらし情報『巨人Intelに挑め! - 自作PCユーザーを歓喜させたK6シリーズ (1) 遅れてきたK5』

2015年8月31日 11:21

巨人Intelに挑め! - 自作PCユーザーを歓喜させたK6シリーズ (1) 遅れてきたK5

ということは、AMDのエンジニア達が目指した方向は正しかったのだが、その優れたアーキテクチャを製品に反映する製造技術を持ち合わせていなかったので、市場の要求とずれが生じてしまい、発表された時にはごく"並の性能の"CPUとしか受け取られなかったということである。ハイテクの市場で一番重要な、Time To Marketの失敗例の典型といえよう。

○K5は失敗ではなかった

しかし、その後のAMDのCPU開発の動きを見てみると、K5はビジネス的には成功とはいえなかったが、革新的なアーキテクチャの開発、その経験で得た技術的知識・資産の蓄積、高いゴールに向かって果敢にチャレンジするエンジニアの情熱と結束、といった点では全くの失敗とは言えないのだと思う。というのも、K5の開発で培った貴重な経験と技術的資産は、本連載の一番初めで述べたK7:Athlonに明らかに引き継がれているからだ。K7が大成功を収めたころに、10年来の知己のAMDエンジニアと話した時に、"K5は失敗ではなかった、K7の中にK5が生きている"、としみじみ語ったことが懐かしく思い出される。

実際、エンジニアがK5とK7の内部ブロック図を見比べるとK7の中にK5で開発された回路ブロックの痕跡が見られるという。

新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.