3次元実装は日本で研究 - IBMが注力する脳型コンピュータチップ開発(前編)
IBMは半導体製造を2015年にGLOBALFOUNDRIES(GF)に譲渡したが、半導体の研究開発は手放さないどころか、超微細化プロセス開発で世界を先導する方針だ。事実、ニューヨーク州Albanyのニューヨーク州立大学Polytechnic Institute-Colleges of Nanoscale Science and Engineering(CNSE)キャンパス内にあるIBM半導体研究開発施設(300mm試作ライン)では、5年間で3000億円を投じて、次世代プロセス・デバイスの研究を行っている。
著者注:TrueNorth製作に使用された28nm CMOSプロセスは、もともとはIBMが主導する次世代CMOSプロセス開発コンソ―シアム「Common Platform」で、パートナーであるSamsungやGFと共同開発したものである。IBMがSamsungを製造委託先に選んだ背景にはこのような事情がある。
IBMは、去る7月に10nmをスキップして半導体業界初の7nmプロセス技術を用いた動作可能なテストチップ(TEG)の試作に成功したことを発表した(図6、7、8)。IBMとその半導体技術開発パートナーであるGF、Samsung、それに施設のいわば家主であり、産学協同パートナーでもあるCNSEの4者が共同で目標達成したとしている。