フォントから考える (2) クラシカルでやさしい売れっこフォント
両者に共通する漢字は「隷書(れいしょ)」 とよばれる書法に影響を受けたもので、流れるような左はらいやポッテリとしたとめ・はねが、独特なイメージを醸しています。
「解ミン」は2013年に登場したため「丸明オールド」ほど広まってはいないものの、書籍のタイトルや雑誌、そしてこちらも清涼飲料水のパッケージ等、着実に使われる場所を増やしています。余談ですが、先日原宿の竹下通りを歩いていた際、飲食店のチラシで数軒ほど「解ミン」が使用されているのを見かけました。
○解ミンが丸明オールドのライバルと考えられるのはなぜ?
図を見比べると気付くかもしれませんが、「丸明オールド」と「解ミン(特に宙)」を突き合わせて同じ文字同士を比べると、それぞれ形は違っているのが分かるかと思います。かたや「丸明オールド」は「丸明朝体」ですが、「解ミン」は「隷書を彷彿とさせる明朝体」で、端部の処理の違いや、ひらがな、カタカナの造形の違いなど、両者は異なっています。しかし、両フォントから受ける印象はすこし似ているように感じませんか?
どちらもやさしい印象ですが、かといって決してポップなわけではなく、むしろクラシカル。加えて、くだけた印象が少しありながらも、品の良いイメージがわくかと思います。