の掘り下げが甘く、「理科」の分析が弱いことが多いと言うのもわかる気がする。新規事業の検討でよく使われる「アンゾフの成長マトリックス」という思考フレームに筆者オリジナルの「5W2H思考」を組み合わせて発想の幅を広げるという手法も面白い。
「誰に×何を」「どこで×どうやって」「いつ×いくらで」と軸の組み合わせを変えながら9種のマトリックスを使って発想を広げていく。これはかなり実践的でイメージが湧く。新規事業の担当者は、とかく企業の中で「金食い虫」と厳しい目で見られたり「遊んでるんじゃないか」と揶揄されたり、組織の中で孤軍奮闘になることが多い。実際、なかなか成果を出すことができず苦労している人も多い。
けれど、入社間もない若いうちは「決められたことをちゃんとやる」だけで評価されても、年次を重ねていけばそれだけでは評価されなくなってくるし、役職者ともなれば今までと同じことをやっているだけでは更なる昇進は期待できなくなっている。そんな時代だ。
企業に変革が求められているとと同じように、企業人にも働き方、仕事に取り組む姿勢を変えていくことが求められているのも自然な流れだ。
そんな企業人にぜひお薦めしたい1冊だ。