「それがその会社にとって新たな取組みなのであれば、それも小さな起業の一つだ」と。
そう考えると、企業人にとっても「起業」はもう少し身近なものに感じられる。しかし、やはり組織の中で何か新しい取組みを始めようというには、規模の大小はあるにしても、なんらかの準備は必要だ。自分の考えを何かにまとめ、社内で起案し、承認を取りながら進めなければいけない。しかし、意外とこういうHowToが書かれた本と言うのは少ない。とかく経営学の本というのは、「なるほど」と思うことはあっても、なかなか実践で活かせる場面がないというのは、多くの読者が経験してきていることだろう。
大学の研究者にはイノベーションの理論を解説することは出来ても、企業の中で働いたことがない人にその組織の中での立ち居振る舞いを助言することは出来ない。プロジェクトに第三者として携わるいわゆる戦略系コンサルタントにしても同様だ。
やはり、当事者として企業の中で経験を積んできた人だけが持つHowToが知りたくなる。
独立起業しようという人向けには多数のHowTo本が出ている。会社設立の手続きから、資金調達、人材採用、製品・サービスの設計、販路開拓……、起業するためにしなければいけないことは沢山ある。