2015年9月15日 08:30
黄金を巡る旅 (7) 黄金を生み出そうとした男、その名は「ニュートン」!?
○ニュートンの実像に迫った天才経済学者
ニュートンが錬金術に成功したかどうかの確証はないが、株式投資に夢中になっていたことから考えれば、失敗に終わったことは明らかだろう。
近代科学の基礎を形作る一方で、錬金術にのめり込み、株式投資では大損する。そんなニュートンを「理性の時代の最初の人ではなく、最後の魔術師だ」と指摘した人物がいる。近代経済学の基礎を築いたジョン・M・ケインズだ。
実はニュートンの錬金術研究を明らかにした一人がケインズだった。ニュートンの死後、封印されてきた一部の手稿を入手したのがケインズで、その内容を詳細に分析し、錬金術に取り組んでニュートンの実像を暴いた。優れた経済学者であると同時に、株式投資でも大成功を収めたケインズこそ、ニュートンを凌駕した真の「理性の人」だったのかもしれないのである。
ニュートンの遺髪からは、水銀が大量に検出されている。
錬金術の研究過程で大量に吸い込んだ結果であり、これによって体調不良に陥ったとの指摘もある。
黄金を追い求める気持ちは誰しもが抱くもの。しかし、錬金術と株式投資というニュートンの「黄金を巡る旅」は、目的地にたどり着くことはできなかったのである。