2015年9月15日 12:00
兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (28) 漫画家の仕事をクールに演出する「作業用ドリンク」
今回のテーマは「作業中の飲み物」についてである。
○兼業漫画家にとっての「神の雫」
基本的には水を飲んでいる、もちろん、ミネラルウォーターなどというしゃらくさい物は飲んでいない。まじりっ気なし100%の水道水だ。
冬はストレート。夏はそのままだとぬるいので、これまた同じ水道水で作った氷でロックとシャレこむ。原料が同じなだけに、実に親和性が高い仕上がりとなっている。私にとっての神の雫だ。
なぜ水道水を飲むのかというと、まず蛇口をひねれば出てくる、というところが大きい。
やれ自動販売機だのコンビニだのにわざわざ出向いて飲料を買い求めていては、その間に干からびて死ぬおそれがある。人間の体は6~7割が水分なのだ。水分補給は常に一刻を争い、一秒の遅れが死を招く。もちろん自宅で麦茶を作るなどもってのほかであり、作っている間に確実に手遅れになるに決まっている。
このように平日は大体水道水を飲んでいるが、休日は趣向を変える。休日と言っても会社が休みなだけであり、逆に言えば「長時間原稿を描く日」である。長丁場を耐え抜くための飲み物を摂取せねばならない。
まず、一番多く飲むのがコーヒーだ。
コーヒーが好きかと言われたら、正直そんなに好きではなく、ただ苦いと思う。