くらし情報『兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (28) 漫画家の仕事をクールに演出する「作業用ドリンク」』

2015年9月15日 12:00

兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (28) 漫画家の仕事をクールに演出する「作業用ドリンク」

私も、このエナジードリンクの類をたまに飲む。どういう時に飲むかと言うと、ここが山場とか、もうひと踏ん張りしたい時などではない。「忙しい自分がカッコ良くて仕方がない時」だ。

日本には「忙しい自慢」という文化がある。「寝てない」「休みがない」などをさも自分が有能であるがゆえのことのように、自慢げに言うことだ。漫画を描く人間にもこの文化はあり、それがいわゆる「修羅場自慢」である。

昨今の「修羅場自慢」はTwitterを使って行われることが多く、「締め切りまであと…3日!」、「白紙があと10Pもある」などとでつぶやいたり、「原稿をやれ」と言うbotの発言をリツイートした後「ひえええええ!」などとポストしてしまったりする行為を指す。

Twitterをしている時点で忙しくないだろうと思われるかもしれないかもしれないが、「修羅場自慢」をする人(私も含む)は、本当に忙しくはあるのだと思う。
ただ、どうせ忙しいなら、このオレの忙しい雄姿を見てくれという気にもなってしまい、その誘惑にはなかなか勝てないものだ。よって、SNSをやっていながら原稿の進捗には一切触れず、もちろん「修羅場自慢」をすることもなく、延々と食った飯など別の話をしている作家業の人を私は尊敬する。

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