若き起業家たちの夢とその戦略 (6) 「だから僕は、社員に思考プロセスを開示する」FiNC溝口氏のこだわり
――― 南野氏以外にも、元LINE代表取締役社長の森川氏や元クックパッド最高財務責任者の成松淳氏など、一流の人々を次々と経営陣に巻き込んでいますよね。
幸運なことに、僕らの事業は市場性・社会的意義・タイミング・ヒトの4つが揃っているんです。マス市場を攻めていますし、社会性も大きいですし、世の中が大きく変わるタイミングでもありますし、そこに素晴らしい人たちがいる。どれだけ崇高なビジョンを掲げていようと、本気で具体的なゴールを目指す集団に見えなければ、誰も手伝ってくれないと思うんです。この4つが揃った状態で、5年で時価総額1兆円達成という大きなゴールを設定しています。ゴールから逆算すると、その世界を自分の目で見てきた、かつ実績を持っている一流の人が必要になる。僕は真剣に「本気でゴールを目指しているので、◯◯さんのことが必要なんです!」としつこくお願いします。それがたくさんの素晴らしい人たちを巻き込めている要因かも(笑)。
というのも、僕にはゼロから作ったプロダクトを大きくスケールさせた経験はありません。たとえば僕が10階からの景色を見ているとすると、森川氏は100階からの景色を眺めているでしょう。