若き起業家たちの夢とその戦略 (6) 「だから僕は、社員に思考プロセスを開示する」FiNC溝口氏のこだわり
○一流の人間に囲まれているから弱い自分に打ち勝てる
とはいえ、創業後2年はヒト・モノ・カネ、すべてが不足していました。ヒトでいうと約10人の社員のうち、アプリを開発できるエンジニアは0人。次のステージに進むため、自分たちでプロダクト開発をする必要がありましたが、エンジニアを新規で採用するには当然お金が必要です。まとまったお金を手に入れるには、投資をしてもらうのが一番ですが、そのためにはプロダクトを見せる必要があります。結局のところ、当時あったのは "思い" だけでした。
友人たちに「起業している人でも、CTOをしている人でも良いので、◯◯さんが知っている中で一番優秀なエンジニアに会わせてほしい!」とお願いし、いろいろなエンジニアと会い続けました。大きな転換点になったのは、元MEDICA創業者の南野充則(現 取締役CTO)との出会いです。
彼は会社を2つ経営していましたが、彼の下で働いていたエンジニア4人と共に、2013年末にFiNCに参画してくれた。
僕の思いに賭けてくれた彼らが3カ月間に渡って、一生懸命作ってくれた高機能なプロダクトのおかげで、大きな資金を得て、優秀な社員を採用し、プロダクトの質を上げ、より大きな資金を得て……と正のサイクルが回るようになったんです。