現役復帰を決めた中山雅史が魂のプレーと背番号「39」を通して伝えたい想い
その他の「27」と「36」は空き番となっていたが、あえて現時点で最も大きな番号を選んだ理由をこう説明している。
「感謝の気持ちを込めて『39』で『サンキュー』という思いもありますしね」。
新しい背番号をもじって読んだ先に、熱い思いを伝えたい人たちの顔を思い浮かべていたのか。中山は少しはにかんだ表情を浮かべた。
○かたくなに「引退」の二文字を封印してきた理由
コンサドーレからの退団を表明した2012年のオフ。中山は記者会見の席で「第一線から退くことを決めました」とは言ったものの、かたくなに「引退」の二文字は口にしていない。
功労者にとって最後の晴れ舞台となる引退試合も、他の選手たちのそれにはすすんで出場してハッスルプレーを見せてきた一方で、自らのものはいまも開催していない。
「まだ未練タラタラです」。
退団会見の最後に漏らした言葉が物語るように、解説者やタレント業を務めながら、合間を縫っては一時的にプレーをあきらめる原因となった両ひざの激痛のリハビリを自らに課してきた。
専属トレーナーをつけてまで、再びピッチに立つ可能性を追い求めてきた日々。執念すら感じさせる真摯(しんし)