くらし情報『コンピュータアーキテクチャの話 (339) よくわかっていないGPUのハードウェアの造り』

2015年10月9日 10:00

コンピュータアーキテクチャの話 (339) よくわかっていないGPUのハードウェアの造り

コンピュータアーキテクチャの話 (339) よくわかっていないGPUのハードウェアの造り
○GPUの造りは良く分からない

このように、GPUはCPUとは違って多数のスレッドを並列に実行するプロセサであり、その造りはCPUと似ている部分もあるが、異なっている部分も多い。しかし、GPUのハードウェアがどのような造りになっているのかに関する公開された情報は少ない。

情報が公開されない大きな理由は、ハードウェアの進歩が急速で、世代ごとにマイクロアーキテクチャが変わってしまうが、それによってプログラムの作り直しが必要になるのは困るので、ユーザから見た使い方はできるだけ変わらないようにしたいということがある。

このため、NVIDIAはGPUハードウェアを直接制御するマシン命令を公開していない。その代わりにPTX(PARALLEL THREAD EXECUTION ISA)という抽象化した命令セットを公開している。

そして、NVIDIAのGPUでは、高級言語で書かれたGPUプログラムは図3-30のような過程でマシン命令に変換されて実行される。

CPUと異なるのはPTXという抽象化命令が間に入る点で、この部分でGPUハードウェアのマイクロアーキテクチャの変更を隠すようにしている。CPUの場合は、ドライバのようなものは無く、昔はプログラムをメモリにロードする時にリアルタイムに変換を行うCPUパワーもなかったのでコンパイラでマシン命令を直接生成しており、それが続いている。

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