2015年10月9日 12:00
クリエイティビティは「コントロールできない」 - 「Adobe MAX 2015」2日目基調講演
「この写真を撮るのがどんなに怖かったことか。これが初めて人物を被写体にした瞬間で、いろんなことを考えてためらいました。でも思い切って撮影した。私は恐怖を克服したんです。この経験が私の中の燃料となり、それから何万人もの人を撮ることができたのです」
この写真を撮ったあとでStanton氏はニューヨークに移住し、Humans of New Yorkを始めることになった。最初はただ写真を撮っていただけで相手の話を聞いたはしなかったが、あるとき被写体の女性が言ったセリフが興味深く、それを載せたところ大きな反響があった。これがHumans of New Yorkが変わった瞬間である。それからは、単に写真を撮るだけでなく、その人のストーリーを語るために撮ることに決めたという。
Humans of New Yorkは今ではストーリーテリングのブログとして有名になり、ブログに載せられた写真やストーリーをきっかけに被写体に対する寄付活動が始まったり、オバマ大統領にインタビューする機会を得たりするなど、その影響力は極めて大きなものになっている。「写真を撮った事すらない自分がオバマ大統領にインタビューできたのは、5年前に勇気を振り絞って恐怖心を乗り越えたからです。